第1部 複雑さと読めなさに抗う
プログラマーが最初に向き合う不自由は、自分の作ったものに振り回されることだ。機能が絡み合って、誰も全体を見渡せなくなる。やっと分けたその部品も、半年後には自分ですら読めなくなる。
第1部では、この二つの不自由――複雑さと、読めなさ――を続けて扱う。第1章は、機能を足すたびに膨らむ複雑さと、それを「倒す」のではなく「小さく分けて手なずける」までの道のりを追う。第2章は、分けた一つひとつを「読める」ものにするための、名前という道具を扱う。
この二つは、地続きだ。複雑さを分けても、分けた先が読めなければ、結局また手が出せない。だから第1章の終わりは、そのまま第2章の入り口になる。